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ひとしずくの水滴にも
広大な宇宙が広がっている
細かいこだわりが凝縮された
「オーロラグラン」のジュエリー。
繊細に仕上げられた
デザイン・かたちは、
大自然、宇宙につながるような
ダイナミックなイメージを
まとっています。
ミニマムな要素とダイナミックな
イメージが共存するデザイン。
理想のイメージを現実的なかたちに
妥協なく調整すること。
ものづくりの背景には、
どのような思い、
プロセスがあるのでしょう。
旅、自然 …
共鳴してうまれるインスピレーション
特に興味があるという海外の建築物。何百年もずっと前からそこにある間に、暮らす民族が変わり、宗教も変わり、歴史が変わるなかで、文化が混じり合って今の姿にできあがっていったものも多く、そういうものに深く面白みを感じるといいます。
オーロラグラン デザイナーのブログから一節をご紹介します。
ウズベキスタンと聞くとサマルカンド=シルクロードの都に思いを馳せます。
西へ東へ同じ模様が行き交っていたのでしょう。
グラナダのアルハンブラ宮殿、プラハではミュッシャのアールヌーボー装飾、
そして母から受け継いだ着物の裾模様。
かつて見たそれらが総て共鳴しています。』
(AURORA GRAN かつてのコレクション「Delight」より)
http://auroragran.blogspot.jp/2016/08/blog-post_26.html
ダイナミックさと繊細さ
繊細さはものの大小では捉えていない
直感で得た、壮大でダイナミックなインスピレーション。
ひらめいたときにスケッチすることもたまにありますが、その場で描くことは少なく、最初に得た感覚を大事にジュエリーのデザインへと展開します。ダイナミックな気持ちのまま、ダイナミックなものをつくっている感覚で、細かいこだわりをかさねて、繊細なかたちとディテールをもつジュエリーを形づくっていきます。
大きくダイナミックなイメージの建築物には、繊細な技術、デザインが集約されています。「小さなものでも繊細でないものもあり、大きなものにも繊細さを感じるものもあり、繊細さはものの大小では捉えていない」という考えが、大きな建築物に向き合うときにも、小さなジュエリーづくりに向き合うときにも共通しています。それは『ひとしずくの水滴にも広大な宇宙が広がっている』(デザイナー川口さんの言葉)という感覚にもつながっています。
“ ぴたっと合う “ 感覚
「オーロラグラン」ならではのコミュニケーション
ダイナミックなイメージを背景にもつ繊細なデザイン・かたちは、どのように調整して身につけるジュエリーへと形づくられていくのでしょう。
デザイナーがイメージしたものをかたちにしていくときの感覚は「チューニング」だといいます。細かいカーブなどの納得のできるかたちやディテール、質量感。ぴたっと合ったと感じる、感覚的なものを大切にしながらこだわりをかさねていきます。クラフトマンは実際の「もの」に仕上げるために、デザイナーがかたちにしたいものやディテールをくみとります。そのコミュニケーションは、明確な言葉や指示書によるものではなく、Jazzのセッションのようなもの。「あ、ぴったり合った!」という感覚的なものを大切に、仕上げていきます。
理想のイメージを身につけて使える強度をもつ現実的なかたちにするプロセスは、製作をするうえでのいちばんの苦労でもあります。デザイナーとクラフトマンはイメージをかたちにするためのアイデアと工夫を何度もやりとりしながら、「もの」に仕上げていきます。それは苦労でもありますが、チームワークならではの醍醐味。
クラフトマンは、平常心を保つようにして、なるべく心を穏やかにして仕事に向かうことを日課にしているそうです。はっきりと言葉にならないセッションのようなコミュニケーションでお互いのイメージをくみとりながらクリエイションしていくために、大切な心構えや思いやりのようにも感じます。
イメージをかたちにするなかでうまれる、デザイナーとクラフトマンの自然体のコミュニケーション。お話しを聞いているわたしたちも、ぴったり合った瞬間の気持ちよさを「あ、なんかいいな」と感じとれるほど。これが「オーロラグラン」というブランド全体に流れる魅力の源なのだと実感しました。